自動車は、エンジンが回転することよって発電機(オルタネータ)を回し、バッテリー(初めから車両に搭載されているバッテリー:以下メインバッテリー)へ充電を行っています。
オルタネータ
メインバッテリーはエンジン始動、エアコン、ライト、オーディオなどの車両自体に用いるバッテリーであり、充電された電気のほとんどはエンジンの始動に用いられます。
※上記説明のためのオルタネータの写真はカーライフサポートネット様からお借りしました。
(オルタネータについてのさらなる解説も充実しております。)
そのため、選挙・宣伝カーのような拡声器類や看板照明を搭載した状態では、メインバッテリーだけではすぐにバッテリーが消費されてしまい(=バッテリーが上がる)、エンジンがかからないというトラブルが発生します。
バッテリーが上がってしまうとエンジンがかからないため、車を動かせず、かつ外部から電気を供給する作業をしなければならないため、時間・労力・お金をロスし、選挙・宣伝活動に大きく支障をきたしてしまいます。
そこで、一般的に選挙・宣伝カーでは、拡声器類や看板照明用に別途バッテリー(以下補助バッテリー)を搭載してメインバッテリーが消費されないように対応しています。
選挙・宣伝カーで拡声器類や看板照明を使うと、大量の電気が消費されるため、選挙・宣伝期間中に使用し続けるためには、メインバッテリー同様、補助バッテリーも充電する必要があります。
補助バッテリーも発電機(オルタネータ)で発電した電気を充電します。
この際、オルタネータの発電量の多くが補助バッテリーの充電に回ってしまい、メインバッテリーの充電に回らなくなる可能性があります。
メインバッテリーの充電ができないと、エンジンの始動ができなくなってしまうので、メインバッテリーを優先的に充電しつつ補助バッテリーの充電を行うシステムが必須となります。
メインバッテリーを優先的に充電しつつ補助バッテリーの充電を行うシステムには、手動充電システムと自動充電システムがあります。
1.手動充電システム
その名の通り、手動で充電を切り替えます。メインバッテリーと補助バッテリーを並列につなぎ、スイッチがONのときのみ補助バッテリーが充電されるという仕組みです。
充電の切り替えを簡単に行うことができますが、OFFにするのを忘れ、ONにしたままの状態だと、停車時の補助バッテリー使用時にメインバッテリーも消費され、エンジンが始動できなくなる可能性があります。
また、ONにしたままでエンジンを始動させようとすると、始動時にメインバッテリーだけではなく、補助バッテリーからの電流も流れるため、配線がショートし、発熱・発火の恐れもあります。
もちろん、当然のことながら、スイッチをONにするのを忘れると補助バッテリーが充電されず、肝心な場面で拡声器類や看板照明が使えないという状況になることが考えられます。
2.自動充電システム
手動充電システムでは、エンジン始動時にOFFにし、エンジン稼動時にONにしなければならず、ご利用者の方に負担の大きなシステムだったため、手動でスイッチON、OFFの切り替えを行うのではなく、自動的にメインバッテリーと補助バッテリーの充電の比率を調節する、自動充電システムが多種開発されました。
オルタネータで発電した電気を、メインバッテリーと補助バッテリーに分配するように配線しなおすシステムや、特殊な機器等によりメインバッテリーの電圧を検知して、余裕のある状態のときのみ補助バッテリーに電流を流し充電するシステムなどがあります。
ご利用者の方がスイッチを切り替える手間は省けますが、メインバッテリーと補助バッテリーに電気を分岐するシステムでは、配線から大きな発熱が起こり、それだけで電力をロスするだけでなく、冷却用ファンの設置も必要でした。
また、電圧を検知するシステムでは、別途電圧検知機器の搭載による荷室スペースの縮小や電力消費が発生します。
弊社は、長年選挙カー事業を展開させていただき、様々なお客様のご要望にお応えするべく、日々技術力を磨くことによって成長してきました。
弊社では、長年培われてきた全く独自のノウハウにより自動充電システムを構築いたしております。
詳しくはご紹介できませんが、配線に独自技術を施すというシンプルな方法で、メインバッテリーの充電を優先しつつ補助バッテリーを充電するということを自動で行っております。
特殊な機器を搭載するわけではなく、電気のロスも少ないため、メインバッテリーが上がってしまうことがほとんどなく、多くのお客様からご好評いただいております。